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ほろりと思う [音楽]

楽器店主催の大人のためのサロンコンサートに参加するため、
生徒さんに同伴してきた。
参加した私の生徒さんは、脳梗塞で倒れ、
リハビリのためにピアノを習い始めたおばあちゃま。
レッスンを初めてまだ数ヶ月足らずでの本番となったのだが、
止まりながらも(ご愛敬)懸命に弾ききった。

コンサート後にご家族の方から頂いたお手紙には、
「入院していたことを思い出すと、ピアノが弾けるようになったことが嬉しく思います。」
とあった。

一歩進んで二歩下がる、というペースのレッスンではあるが、
演奏後、ご家族から満面の笑顔と拍手で迎えられていたおばあちゃまはとても幸せそうだったし、
ご家族もまた、明るくすてきな笑顔をしていて、
なんだか今頃、この仕事をしていてよかったなと、ほろりと思ったのだった。

レベルとか、玄人、素人、色々振り分けるモノはあるけれど、
いつもとは違う目線で、音楽というものを見た気がした。

教える側は、常に教わる側なのだと、つくづく。
果てしなく続く学びの旅。どこまで行けるのだろう。

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お別れ [音楽]

(記録として)

尊敬して止まない、大変お世話になった恩師との
最後のお別れをした。
私のピアノ人生を支えてくれた大きな存在だった。
私だけではもちろんなくて、それぞれの人の胸に深く刻み込まれた先生の大きさは、
昨日今日と執り行われた式でも改めて伺い知ったことでもある。

先生の大らかで温かな人柄に触れて、
音楽と真摯に向き合うその姿に、
本物のピアニストとは、音楽家とは、人とはかくあるべし、と、
門下生の誰もが胸に静かに刻み込まれたのではないだろうか。

先生の国であるチェコに少しだけ住めたことも私の小さな喜びだった。
先生との出会いこそが、私の大きな財産であり幸運であったと思う。
門下生として過ごすことが出来た幸せを噛みしめて、
流れる涙を抑えられず。
早すぎた死がとても悔しく悲しい。

大きな喪失感を胸に、ピアノに向かう。
仕事場に置いてあったショパンのワルツ集をぱらぱら弾きながら、
先生のショパンを思い出した。
ピアノに向かえば、私たちは先生と繋がっていられるのかもしれないと思ったら
少しだけ楽になった気がする。

命、人生、時間、それらすべての”限り”について考えた数週間。
誰もが例外に漏れず限りのある時間を過ごしているのだ、
そのことを胸に刻み、今を大切に生きなければと思う。


偉大な人でした。言葉がみつからない程に。
これからも偉大で在り続ける先生です。
今まで本当にありがとうございました。
合掌


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林檎とジレンマ [音楽]

合唱の伴奏で秋田まで遠征してきた。
2泊3日、紅葉と温泉を満喫し、美味しいものを頂き、
秋田を大いに味わった。 
これが仕事ではなく、プライベートな旅行だったなら
何と素晴らしかっただろう、と。
帰りの渋滞にはまった大宴会で盛り上がるバスの中で、
ぽつりと一人で思った。

伴奏者とは、時に孤独なものだ。
いい人達に囲まれ温かな時間も持てたのだが、
出来上がった集団に入っていくというのは、
いくつになっても私は苦手なようだ。

ここの合唱団での経験が、糧となり自分の力となる為の訓練なのかもなぁ。。。
と、今夜も合唱練習の帰りにぽつりと思った。

少し疲れているのか、心が真っ直ぐ元気に向かない。
伴奏譜ばかりがピアノに積まれていくこの頃。
仕事を頂けてありがたいと思う気持ちと、
自分の好きな音楽に浸って好きなだけ向かい合いたいと思う気持ちと。
複雑なジレンマ。
どこかで折り合いをつけながら、皆生きているのよね。
踏ん張りどころだわ。

秋田で林檎狩りをした。

  りんご狩り.jpg

林檎の木はきれいだった。
たわわに実った林檎の赤が眩しかった。

  りんご狩り2.jpg

この林檎のような、赤色を心に差せるように、
自分なりにがんばってみよう。


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発表会 [音楽]

 
   発表会1.JPG

ヴァイオリン&ピアノ発表会、無事に終了。
一年前の会場予約から始まり、準備を重ねて自分たちで作り上げた発表会だ。
当日は、裏方も当然兼任で走り回った。

風邪を引きずった(再び熱を出した一週間。。。)体的には相当きつく、
「疲れた~」を連発していたへなちょこセンセイですが、
お洒落をしてちょっぴり緊張した顔で、舞台の上で堂々と演奏する生徒さんを見ながら、
頑張った甲斐があったと心の底から思ったのでした。

実を言うと、最後に待っていた「講師演奏」が非常にプレッシャーで、
疲労が肩にどしっと乗っかった状態で演奏をすることが恐ろしかった。
が、しかし。
今回は自分のために弾こうと決めた、ショパンの『舟歌』を弾き終えたら、
疲労もプレッシャーも消えていた。
やっぱり演奏することが私を浄化し鍛えてくれるのだなぁと、ピアノに感謝する。
それから、ピアノを通してそれぞれの演奏を「育てていく」充実感を身をもって感じることができた。
手探りではあるけれど、やっぱりススメ、ススメでこの先も。


   発表会2.JPG

今回、一緒に準備から進めてきたヴァイオリン弾きの友と、協力をしてくれた方々に感謝です。
生徒の皆さんも、お疲れ様でした。
みんな、かっこよかったぜぃ。自分の生徒は、かわいいものなのだ。
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リサイタル、その後 [音楽]

12月14日(金)19時より 市ヶ谷ルーテルセンター音楽ホールにて。

      

      

【Program】
W.Mozart   きらきら星変奏曲(“ママ、きいてちょうだい”による12の変奏曲)KV265
F.Chopin    ノクターン 第9番 ロ長調 Op.32-1
                ノクターン 第13番 ハ短調 Op.48-1
                舟歌  嬰ヘ長調 Op.60

J.Suk          愛の歌(6つのピアノ小品 Op.7より)
M.Ravel      高雅で感傷的なワルツ
S.Prokofiev  ピアノソナタ 第3番 イ短調 Op.28「古いノートから」

*encore* 
F.Poulenc    即興曲 第15番 "HOMAMAGE A EDITH PIAF"(15の即興曲集より)


リサイタルは、何とか無事に終了。
緊張と妙なテンションの数時間は、今思い出しても肩に力が入る。

本番直前に楽屋を訪れ声をかけに来てくださった先生の顔を見て、
緊張と少しの安堵のあまり、涙が出てきた。
そして、最後は身を任せるように舞台へ上がった。

細かいミスやハプニングは、数えたらきりがない。
集中力も、リハーサルに比べたら少し落ちた気もする。
危なかった箇所もいくつかある。
そのまま呑み込んで次の舞台につなげよう、と思い出すと未だに苦い味がする。
でも、弾き切ったことと、全力で今ある力をぶつけられたことに関しては、
自分を褒めてやろうと思う。

会場に足を運んでくださった多くの皆様のあたたかさが、
一人舞台に居た私の下へ伝わってきた。
コンサートは、弾く人間が提供し作り上げるものと思い込み、
一人孤独な殻に閉じこもりそうになっていたけれど、
本番数日前のリハーサル直後、ガチガチの私に
聴きに来てくださった同じ門下の先生が静かに語りかけてくださった。

「舞台は弾く人と聴く人と、一緒に作り上げていくものではないかしら。」

このことは、私にとってどれだけ助けになったことかわからない。
リサイタルに辿り着くまでも、多くの人たちに助けられ力を貸していただいたのだ。
一人で作り上げるなんて、何を抜かしていたのだと後から思った。

この一年間は、ほぼこのリサイタルに向けて全力疾走してきた。
そのことで、犠牲にしたことももしかしたらあったのかもしれないけれど、
得るものの方が大きかったと確信する。
まだまだのひよっ子だけど、
弾き続けて見えてくるものがあることを知った。
だから、これからも進んでいこう。
もっともっと、見てみたいから。

遠くから応援エールをくれた親愛なる友人たちへ、
先生へ、家族へ、観客となりあたたかい拍手を送ってくれた多くの皆様へ。
心からの感謝を送ります。
ありがとう。

まずは、少しの間骨休み。
少し休憩したら、また歩き始めます。
てくてく、てくてく、この速さなのだろうけれど。
聴いてくれる人がいるまでは、弾いていたいから。


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オータムコンサートinスコットホール [音楽]

11月14日(水)19時より 早稲田奉仕園 スコットホールにて

  

 
   

久しぶりの本格的プログラムの本番は、ガンガンに緊張。
この時点では、「やることはやった」というところまで心身共に到達はしていたので、
開き直りの境地ではあった。
上手くいったことも、いかなかったことも、もう一度振り返って仕切り直しをしなければ。
…というものの、この一週間は疲労と脱力感で何も手につかず。

数日間はレッスンでちびっ子の曲を模範演奏することすら指が痛くてできなかったことに、驚き。
この手でよく弾けたなぁと、しげしげと自分の指を眺めた。
このぼろぼろの指は、頑張った勲章さっ。
でも、12月に向けては大事にケアをしながら本番を迎えなければ、
「勲章さっ」などとは言ってられない。。。
数日前に受けたインフルエンザ予防接種の副作用も加わり、
なんだかなぁという体調ではありますが、
そろそろ再始動です。

  

次の日にサンフランシスコへ帰るというのに、コンサートへ足を運んでくれた姉友さんから
先週末の朝に素敵な花束が届いた。嬉しいよー。ありがとね。
ご来場いただいた皆様、ご協力いただいた皆様に心よりお礼申し上げます。
相方バイオリン弾きはドイツでの演奏会へ、私は12月のリサイタルへ向けて頑張ります。
年末は、美味しい美味しいお酒を飲めるように。
もう一頑張り。

Program:
ショパン            ノ クターン 第9番 ロ長調 Op.32-1 / pf
                       ノクターン 第13番 ハ短調 Op.48-1 / pf
                舟歌  嬰ヘ長調 Op.60 / pf
サン=サーンス   序奏とロンドカプリチョーソ Op.28 / vn,pf

ラヴェル           高雅で感傷的なワルツ / pf
プロコフィエフ     ピアノ・ソナタ 第3番 イ短調 Op.28「古いノートから」 / pf
グリーグ           ヴァイオリンソナタ 第3番 ハ短調 Op.45 / vn,pf  


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ピアノ漬け [音楽]

11月のコンサートの最終リハーサルも昨日終わり、
あと一週間で本番を迎える。
見事に、ピアノ漬けの毎日。本番があるのだから、当然なんだけど。
それでも、長いブランクがある私にとっては、ちょっと新鮮だったりもする。
周囲の協力の下、の話でもある。
学生でなくなってから初めての、どっぷりピアノ漬け。
寝ても覚めても頭の中には音が鳴っており、
緊張と不安とを行ったり来たり。

そして息苦しくなって、遠くの友人へSOSのメールを出してみたり。
経験者の声は、温かくしんと心に染みた。ありがとう。
弱音を吐ける人をそんなに持ち合わせていない自分が、
少し寂しくも感じたけど、その分、遠くの友人の声はありがたかった。

狭い練習室に篭もって、何時間もピアノと向き合っていると、
自分の弱さを嫌って程、思い知らされる。
ここにきて、腕や手が痛み出したので、ちょっと休息しつつ、
本番は、今の力で思い切り弾けるように、開き直ってやってみよう。

今日は、プラハの音楽院で修了コンサートをした日。
あの緊張の一日が、妙にリアルに思い出された。懐かしい。
6年のブランクを経てのリサイタル。どうなるんだろー。
まずは、11月14日。出陣でござる。


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ホロヴィッツの録音から [音楽]

ピアノをやっていれば、『ショパン』という作曲家は避けて通れない気がする。
もちろん、そういった作曲家は他にもいるけれど、
ピアノ弾きにとって、『ショパン』というのはとても重要な位置にいる。
レパートリーとしてはもちろん、音楽史的にも、音楽性、技術的にも
深くて広い世界がそこには広がっている。
日本でも、世界でも、美しく哀愁を帯びた旋律で『ショパン』は大人気なのだが、
弾き手としては、ソレだけで弾き進めていくと必ず壁にぶち当たる。
『ショパン』は、決して美しく哀愁を帯びているだけではないと、気付かされる。
もっともっと複雑で、繊細でかつ大胆で。
とても人間的なのだと、私は感じる。
甘い甘い旋律のみを感情的に弾く録音や演奏は、苦手。
全てに関して、甘辛好みの人間としては、
『ショパン』の「辛さ」を知って表現するピアノ弾きが好き。

ホロヴィッツの録音は、弾き手としての耳に、新鮮な感動を与えてくれる。
聴く度に、だ。これって、すごいことだと思う。
息詰まったときの救世主のひとつとして、たまに取り出して大事に丁寧に、耳を傾ける。
そして、『ショパン』という作曲家の偉大さと、
この複雑で華麗な作曲家を深く理解し表現し得る
『ホロヴィッツ』というピアニストに、深く尊敬の念を抱く。

私の『ショパン』はどうなっているかといえば、
それはそれは感情的に、時には酷くヒステリックになってしまっていたので、
只今、必死で矯正中。

ホロヴィッツの録音は、本当にいつ聴いても私の心を掴んで放さない。
『ショパン』のピアノ音楽の重要な特性である、即興的な魅力を最大限に引き出す
ホロヴィッツの大胆で見事な演奏ぶりに、沢山のヒントを今日ももらった。
絶対にコピーはできないんだけど。
あっぱれ、ホロヴィッツ・ワールド!


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レッスンの帰り道 [音楽]

レッスンでいつも通る道。
先生のお家へ向かう途中の道が、私は好き。
何となく、チェコの道を歩いているような、そんな懐かしい匂いがする。
 
 

思うように弾けない、どすんと重たい気持ちであっても、
先生のレッスンに来ると、すーっと落ち着く。
それは、先生の懐の深さと温かさのお陰なんだと、
門下生の誰もがきっと身をもって感じているはず。

課題は多し。。。
現在の私自身の、疲労とイライラが曲に思い切り出ていたようだった。
先生も苦笑い。
でも、リラックスすることを、弾きながら無言で教えてもらう。
すぐ近くに、大きな尊敬すべきお手本があるというのは、
幸せなことだ。


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とりあえず [音楽]

第3ミッション、無事終了。
昨日の、真夏が戻った暑い一日。
これまた冷房なしの体育館で、2ステージ弾いてきた。
昨年に引き続き、今年は2回目とあって、
こちらも気が少し楽に演奏ができた。

参加型で、たて笛と私たちと一緒に合奏したり、リズムを取り入れ、演奏を聴いてもらったり。
自分たちのコンサートで弾く曲も、ちらりと。

朝のステージ、うだる暑さの中で汗かきかきの演奏は、
まるでガテン系のお仕事してるような、そんな感じだった。
でも、実際演奏で使っているエネルギーは、それ位なものだそうだ。

演奏終了後に、後片付けをしていた6年生が私たちの元へやってきて、
声をかけてくれた。
一人はピアノを習っている子らしく「すごくよかったです。握手してください。」って手を出した。
あー、可愛いなー。こんな私でよければってなもんで、握手してきた。

大きな花束をもらって、ヴァイオリン弾きと楽しいランチへ。
やっぱり本番の後の、ご飯とか甘いモノとか一杯とかって、美味しい。
もちろん楽しいだけでなく、今後の課題がガガガガガっと肩にのし掛かった瞬間でもあったのだが。
帰宅後は、自分のリサイタルの曲が心配でピアノに向かったけど、
もの凄い疲労感に襲われ、バタンキュウ。
とりあえず、9月のミッションはこれで終了。
後は、デュオと自分のコンサートに向けて走るのみ。
そう、歩いてるんじゃ間に合わないところまで、実は追いつめられていたりする。。。

   

昨日の帰宅したときの夕焼け。
こういう綺麗な空を眺めたり、大好きショッピングも遠慮しないで、
気晴らししながら、走ってみるぜぃ。


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